2013年9月29日日曜日

すべての面が合同な四面体ABCDの体積の求め方

<問題>すべての面が合同な四面体ABCDの体積を求めよ。
ただし、辺の長さは、AB=a、BC=b、CA=cとする。






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解答は下にスクロールしたら出てきます。
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1993東京大学前期理系数学の第1問に、これを使う問題が出てきた。


<解答>


















直方体をまず考える。

直方体の8頂点は、
(0,0,0),(x,0,0),(0,y,0),(0,0,z),
(x,y,0),(0,y,z),(x,0,z),(x,y,z)
にあるとする。
(とりあえず、ここでは、x,y,zは正として考える)

また、四面体の頂点は、
A(0,y,z),B(0,0,0),C(x,0,z),D(x,y,0)
にあるとする。

この四面体ABCDは、すべての面が合同であることを満たしている。
(各自確認)

四面体ABCDの体積は、直方体の体積から4つの四面体の体積を
引いたものとなる。
(4つの四面体とは、(0,0,z)と点A,点B,点Cを頂点とする四面体、
(x,0,0)と点B,点C,点Dを頂点とする四面体、
(0,y,0)と点A,点B,点Dを頂点とする四面体、
(x,y,z)と点A,点C,点Dを頂点とする四面体のことである。)

四面体ABCDの体積V= xyz - (xyz/6)×4 =xyz/3 となる。

xの値とyの値とzの値はそもそも問題文に出ていないので、
辺の長さAB=a、BC=b、CA=cより導きだす。

三平方の定理より、

x²  +  z²  = a²   -①  ,  x²  +  y²  = c²  -② ,  y²  +  z²  = b² -③

①+②+③より、

x² + y² + z²  = (a² + b² + c²) /2  -④


④ - ①より  y²= (-a² + b² + c²) /2
他も同様に、
z²= (a² + b² - c²) /2 ,  x²= (a² - b² + c²) /2

ゆえに、
四面体ABCDの体積Vは、

 xyz/3=1/3 × (-a² + b² + c²)(a² + b² - c²)(a² - b² + c²)/8

<解答終わり>



何かの四面体の体積を求める問題が出たとして、
この話がすべての四面体に関して適用できる訳ではないことに注意する。
この話は、すべての面が合同な四面体ABCDの体積にのみ適用される話である。
すべての面が合同でない四面体なら別の方法で体積を求める必要がある。



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